面接のコツといえば、自信を持てとか、笑顔で自然体で、といったことが良く言われますが、いざというときにはなかなかできないことも多いと思います。 ここでは、苦手意識を克服し、自信を示す具体的な方法をお伝えします。
想定問答集=必ず作りましょう。
面接の準備として有効なのは「想定問答集」を作ることです。 まずは、よくありそうな一般的な質問を挙げてみて、それに対する答えを書き出していきます。 ですが、それでは充分ではないと考えています。
面接担当者は必ず、誰にでもする「一般的な質問」の他に、あなただけに質問する「個別質問」をしてきます。 なぜなら、採用したいと思えば思うほど、「この人は大丈夫か」「本当に当社に入って期待する貢献をしてくれるだろうか」ということの確認を迫られるからです。 そして、多くの場合、「個別質問」はあなたのウィークポイントをズバリと突いてきます。 まさに、痛いところを狙って突いてくる、とすら思えます。
そこで、準備として有効なのは、ウィークポイントを書き出した「想定問答」を作ることです。
これついては、特別なことはありません。 まさに、自分のウィークポイントと思われることを列挙して、その答えを挙げるかたちです。 決して逃げず、弱点を見据えることをテーマにして作ってみて下さい。
例えば「年齢」の問題であれば、「上司はあなたより若いけど大丈夫?」とか、「期待の年収は出せないかも知れないけど?」とか等です。 あとは「転職回数」とか「前職のほんとの退職理由」とか「失業期間長いけど」とか「前職勤務が短いけど」、「今までの仕事に一貫性がないけど」「なんでリストラ対象になったの?」とか、とにかく、痛いとこはわざと、全て挙げて下さい。
そうして、それらの質問に対する自分なりの答えを書いてみて下さい。 これはできれば必ずやってください。
ここまでやれば、いちおう防戦はできるようになると思います。 ですが、内定を獲得することを想定すると、防戦だけでは心許ないと思います。
そこで、さらに地盤を固めるために、次のことをお勧めしています。
5つのブレイクダウン
「5つのブレイクダウン」とは、インタビューやディベートの分野で使われる技術の1つで、相手の話しの矛盾点を引き出し、そこに反論を加えて相手を撃破するという、いやらしいやり方です。 簡単に言うと「なぜ、なぜ、・・・・」と質問を5回くり返すことです。 「それはなぜですか?」という質問を単純に5回ぶつけるだけなんです。
すると、たいてい、3回目くらいに話しのつじつまが合わなくなってしまいます。 おもしろいもので、理屈をわかっている私でも実際に質問されると、たいてい矛盾が出て来ます。
上の<例>のように「なぜ、なぜ、・・・・」と5回くり返し、最初の答えとずれが生じたら「しめしめ」と思ってだめ押しを1度入れて確認し、「待って下さいよ、最初の答えと違いますね」といってブレイク=破壊してしまう方法です。
これに対応するには、全てのウィークポイントを出して、その答えをこの「5つのブレイクダウン」を使ってあらかじめ作っておくことで対応することをお勧めします。 そうすれば、たいていの突っ込みにもあらかじめ備えることができ、結果として余裕ある気持ちで受け答えをすることができると思います。
それには、ウィークポイントの答えを作る時、その答えにいちいち「それはなぜですか?」という質問を機械的に付けてみて、それの答えも作ってみて下さい。 そして、さらに、「それはなぜですか?」を付けてみて、その答えも作ってみて下さい。 この動作を5回繰り返して、できるところまで「それはなぜですか?」の答えを作り、階層化してあらかじめ準備しておくのです。
そうすると、面接の時に「5つのブレイクダウン」的な状況になっても、全く慌てないで受け答えができます。 そして面接担当者は「この人はいける」という印象になると思います。
そしてなにより、「どっからでもかかってきなさい」という自信が、あなたの本来の良さを面接で思いっきり発揮できる、余裕の面接時間を約束することになると思うのです。
ぜひ実行してみてください。
面接ノート
これは、普通の大学ノートを使って、面接を受ける度に、質問された内容と自分の答え、気付いたこと、 良かった点、悪かった点などの項目を立てて、毎回記録していくものです。 受ける会社の求人情報や調べたことをファイルしておくものとは異なり、あくまで「面接」の内容を 記録していくことを目的にしています。
ご相談頂く方のご様子を伺うと、ほとんどの人が毎回の面接を受けっぱなしにしています。 反省はその都度するんですけど、次の面接までには細かいところは忘れてしまっていて、 せっかくの反省が次にほとんど活かされていません。 せっかくの気付きが消えてしまっては、一歩前進、一歩後退、次はまたゼロからのくり返しになってしまいます。 面接ノートはそれらを克服し、回を増すごとに内定可能性が上がっていく効果的な方法です。
毎回の面接で必要事項を記録し、次の面接の前には必ず前回まで全記録に目を通してから、本番に臨んでください。
面接は受けっぱなしでは力はつきません。 あなた自身の手で作った、ベストのアドバイスのシャワーを浴びてから本番の面接をくり返せば、確実に面接力がアップし、 回を重ねるごとに内定が近付いてくると思います。
ぜひ、実行してみて下さい。
ビデオ撮影
一番力がつくとっておきの方法、それは面接をビデオに撮って繰り返し練習することです。 ただしこれは一人ではなかなかできませんので、奥様やご家族に相手になってもらって行います。
何より自分で自分を見てみる事が高い効果の秘訣です。自分の欠点や嫌なところが全部出ますし、それを自分で確認するわけですので、どんなに自信があった方でも、そのショックは大変なものになることがほとんどです。 さらに、面接官に扮した相手から都度きつい評価を貰うことも大切なことだと思います。
そうして明らかになった課題を一つ一つ直せば、面接はより完璧に近づくと思います。
実は、私も顧客の応接で、何回も何回もビデオ撮りをさせられて徹底的に鍛えられたことが有ります。 正直に言って今でもビデオに撮られるのは好きではありませんが、多分、これ以上効果のあるやり方は他にはないと思います。
実施後すぐの面接から内定ラッシュになるケースもあるくらい、この方法は強力です。
ぜひ、お試し下さい。
■「2つの質問」とは?
「2つの質問」とは、面接の時に、
・今回はどんな人を採用する予定なのですか?
・それはなぜですか?
の2つの質問をすることです。
この「2つの質問」をすると、面接の通過率は抜群に上がります。
■うまくいく理由
1) ライバルと違う印象になること。
多くの応募者は、面接中にウイークポイントを突いてくる質問を受けてシドロモドロになっています。 その後、「最後に何か質問はないですか?」と言われてもビビってしまって満足な質問もできず、傷心のまま面接が終わってしまい、結果は不採用、ということになりがちだと思います。
そんな中で、こちらから「今回はどんな人を採用する予定なのですか?」「それはなぜですか?」と、ズバリと核心をつく質問ができる人は実はほとんど居ないのです。 ですので、まずはそれだけで、「おっ、この人は違うな」という印象になります。
しかも、募集している仕事に対して、高い関心を本気で抱いているように担当者は感じますので、極めて積極的な人物である印象になります。
2) 課題解決者だという錯覚効果
質問された担当者は、「こんな人が欲しい」イメージをたくさん口に出し、しかもあなたの顔を見てそれを話すことで、あたかもあなたが「こんな人が欲しい、というイメージ」の人である、あるいはそれに非常に近い人であるかのように思えてくる可能性があります。
さらに、会社が抱える課題、つまり、今回の採用の背景も話しますので、まさにあなたが、その課題を解決するかのように思えてくる、という効果を発揮します。 一種の錯覚効果と言えます。少なくとも担当者はあなたにかなり強い印象を抱きます。
結果として、面接の合否判定の際、どうしてもあなたのことが心にひっかかるようになります。 このような効果をもたらす結果、面接通過率が上がるのです。
■2つの質問のポイント
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面接担当者は「これこれこういう人がほしい」と言います。それを真剣に聞いてください。
そして、「それは具体的にはどういうことですか?」「それはつ まりこういうことですか?」等の深堀のための相づちを適度に打ち込んで、相手にできるだけしゃべらせることが大切です。
□
「その通りです」「それはわかります」などのような同意的相づちは相手を直ちに不快にし、よって話しをしなくなってしまうので、決してしてはいけません。
まして、解決策をその場で話すことはもっての他です。ここではあくまで聞き役に徹して下さい。
□
あたかもそこにはいない「こんな人が欲しい」という人のイメージをできるだけはっきりさせるように、面接担当者との共同作業をするようなやり取りにもっていければ理想的です。
担当者の悩みを聞いてあげる、引き出してあげる。ひいては、採用担当者を助けてあげる、といったイメージで臨んで下さい。
□
多くの面接はあたかも会社側が取り調べる側で、応募者は調べられる側であるかのような主従関係で進められると思います。
ですが、この「2つの質問」をすることによって、面接は採用側との会話のキャッチボールになるイメージとなります。
このキャッチボールにする、ということも、面接成功の重要なポイントだと思います。
「2つの質問」がうまくいくと、担当者とあなたは、会社の求める人材像について、と、解決すべき会社の課題について、会話のキャッチボールを経て、その思いを共有する形になります。 そのことによって、担当者は共有した「こんな人が欲しい」イメージを、あなたが一番理解している、と思い、その人材像とあなたのイメージが重なりあって、面接の通過率は抜群に上がります。
上手くはまれば、想像以上に相手の心を掴むことができ、待遇等もビックリの結果が出ます。特に面接相手が中小企業の創業社長だったりすると、即決内定など、驚くべき効果を発揮することが起こることも多いのです。
ぜひ実行してみて下さい。
丸飲み内定
「丸飲み内定」は、文字通り、例えどんなにきついことを要求されても、「それこそ私の仕事です」「ぜひともやらせて下さい」という形で、相手の言うことを丸飲みする、という方法です。
例えば、面接の折に条件で折り合わないと、面接で入社の気持ちが引いてしまう事があります。 その様子は応募者の表情や様子等などで、担当者にもはっきりとわかります。 どの条件が合わなくて引いたのかまで、たいていわかります。 そして、そこで引いてしまうと、内定は決して出ません。
よって、面接時に提示された条件は全て1度「丸飲み」してください。 全て完全に飲む、と最初に決めてかかって下さい。 そうすると、本当にすごい確率で内定が出始めます。
■「丸飲み内定」のポイント
□
例えば給与、仕事内容、休日、勤務地、ポジションなど、自分の思っている条件と合わないものがあって納得できなくても、「ぜひそれでやらせてください」「それこそ私の仕事です!!」という形で、相手の示す条件はすべて受け入れ、極めて前向きな姿勢を貫いて下さい。
□
どうしても受け入れられない条件については、内定通知を受取った後、実は相談があるといって、担当者と合い、納得できない条件について、自分の要求をぶつけてみて下さい。
内定の受諾前に交渉する形です。例えば給与面では、交渉によって「調整手当て」などで希望に応えてくれることがかなりあります。
その他の条件も内定が出たあとなら、考慮してくれるケースがかなりあります。
もし条件が改善されないときは、残念ですが、といって内定を辞退する形をとります。
内定前なら単なる応募者ですが、内定後は会社にとっては半分身内ですので、何とかしよう、となるケースが出てきます。 また、もし、内定後に辞退されますと、要員計画の未達が生じますので、人事担当者はなんとかしなくては、と思うことも多いのです。
よって、面接の時に自ら辞退すれば有り得なかった希望条件を、内定をとった後に相談することで獲得していく形になります。
更にいえば、まったく内定が出なかったのが、どんどん内定が出るようになり、気分もやる気も全く違ってきます。
内定が出た瞬間、選ばれる立場から自分が選ぶ立場に逆転するのです。 つまり、弱い立場から強い立場になる訳です。条件交渉はそれを利用する形になるわけです。
ぜひ「面接を受けた会社はまずは必ず内定をとる」「入社の可否を考えるのは内定が出たあとで」という思いで、面接に臨んで頂きたいと思います。
『お礼状』は、面接の後に「面接の御礼」をハガキに書いて担当者に送付するものです。
頭では分かっていても、実際にこれを送っている人は本当に少ないんです。 ある会社の人事担当者に伺ったところ、ほとんど受け取ったことが無い、とおっしゃっていました。
こういうのは習慣にしてしまうと、本当に気持ちが楽になります。面接の度に「送ろうかどうしようか」考えるのではなくて、
「面接実施=その日のうちに必ず送る」
と決めてしまえば、スムーズに出せると思います。
■お礼状の効果
「お礼状」を出すと、ハガキ代50円がかかります。これが『お礼状』のリスクです。そしてこれ以外のリスクが全くありません。 つまり、『お礼状』を出したことによって、他の応募者より不利になる、というようなことはまずありません。
◎ちょっといいなぁ、と思わせます。
そして、その効果は、もう一度思い出してもらえたり、やる気を感じてもらったり、細かい気配りができる、といった「好印象」をもたらしたり、といったことが期待できます。 何より、他にこれを実際に出す人が今のところ思った以上に少ない、ということだけでも、驚きとともに「ちょっといいなあ」という印象をもらたします。 この「ちょっといいなあ」も大きなポイントです。他の応募者より確実に1回多く「ちょっといいなあ」と思わすことができるわけです。 しかも面接の後でです。人に好印象を持ってもらうのは、この「ちょっといいなあ」の積み重ねだと、私は思っています。
◎「2つの質問」との連携で、担当者個人に謝意を伝えます。
それともう一つポイントがあります。
これは「2つの質問」で、他の人とはひと味違う質問をし、採用担当者の本音を聴けたあなたに特に有効です。
それは、採用担当者本人その人への感謝を表す、というところです。
実は採用担当者はいつもは「○○会社の採用担当者」という見方をされているものです。つまり担当者の態度=その会社の対応、ということになっています。 ですが、あなたがもし「2つの質問」をし、それに対して相手が熱心に応えてくれたとしたら、それは、その会社の対応、というよりも、採用担当者個人が丁寧に対応してくれた、ということになります。 そこで、その個人の丁寧な対応に対して、率直に感謝の意を表してほしいのです。
すると、普段は「○○会社の採用担当者」というかたちなのが、「御社ほど本音で会社の課題や方針までの深いお話を頂いた面接は今までに無かったからです。」と伝えることによって、 採用担当者個人に対して特に感じ入ってお礼を言っている印象になるのです。
そのことのよって、相手は、あなたのことを一層印象に刻むことと思います。 そのことは、採用結果に対して決して小さく無い好影響をもたらすと考えています。
このようなことから、『お礼状』はマイナスの印象になることは殆どなく、全てがプラスの方へ向いていく方法であることがお分かりかと思います。
◎採用して下さい、はNGです。
従って『お礼状』でいきなり「採用して下さい」というのは不自然ですし逆効果です。 また、封書で、丁寧に、という形もあらかじめ準備していたかのようで、このお礼状の主旨には合わない、と考えています。 あくまで「面接の御礼」ですので、その辺は、気持ちが急いて気合いが入り過ぎないように(!?)注意して下さい。
■書き方のポイント
・書くのは普通のハガキに手書きで、横書き、または、縦書きいづれでも
良いと思います。
・できれば、カバンにはいつも郵便ハガキを入れておくと良いと思います。
・面接後に、どこかの喫茶店等に行って書き上げ、帰りの道すがらにポスト
から投函するようにすることをお勧めしています。『お礼状』のハガキを
出せば面接は完了、という習慣にすると良いと思っています。
・遅くとも、次への選考途中で相手に届かないと効果は半減してしまうと思
います。従って、面接の当日に書き上げ、その日のうちにポストに投函し、
翌日には担当者に届くようにする、ことを意識して下さい。
・面接した会社のポストに直接入れて来るのはよく有りません。予め出すの
が予定されていたか、のような印象になってしまうからです。送るのはあ
くまで、普通ハガキで、郵送で送ることをお勧めしています。
・あくまで面接の御礼を急ぎ、という主旨ですので、採用して、とか、よろ
しくお願いします、等は書かない方が良いと思います。
・文面はいつもだいたい同じでOKと思います。ですが「特に〜〜のお話しは
僭越ながら心打つ物がありました。」の〜〜の部分はいつもその面接で印
象に残った内容を書き込む形になります。
■ぜひ、習慣化を
「お礼状」は一度書き方が分かると、決して難しくはありません。面接の後は「お礼状」を出す、ということを、ぜひ習慣にして下さい。
また、お礼状を出すことによって、面接の際に行う「2つの質問」も、真剣さがさらに増すと思います。 「2つの質問」をきっかけとして、話しが深くなれば深くなるほど、お礼状が違和感なく書けますし、何より、 こんなことまで話してくれたのか、という驚きと感謝の念が自然と沸き上がってくる、すばらしい面接が実施できる可能性が、高くなると思うのです。
そうして、工作、ではなく、心からの感謝の念をもって、『お礼状』が出せるようになれる、と思うのです。
そのような気持ちで心から『お礼状』を出せる面接が1つでも多くなれば、内定まではもうすぐだと思います。
企画書の提出
面接の後に、できれば翌々日に届くように、「お礼状」とともに、面接の時に聴いた「会社が抱える課題」を克服するための企画をまとめて、企画書にして担当者に郵送します。
この方法は非常に短期間で就職する際に抜群の威力を発揮します。 多くの方が5〜6社の面接で内定を獲得します。さらに、希望の年収を獲得できる可能性が非常に高いのも特徴です。
ただし、この方法は正直に言って誰でもできる、というわけにはいかないのが実情です。 実際の支援でも今までにこの方法を実行した方は多くはありません。 逆に言えば、実際の支援では、この方法を実施することは無くとも、希望通りの転職を果たしている方が大半です。 ですので、この方法は、可能であれば、ということで、活動の参考にして頂ければと思います。
■なぜ企画書を送ると効果が出るのか?
この方法が高い効果を出す理由は以下の理由によると考えます。
・企業が人を採用するのは、自社の課題を克服するためだと思います。
つまり、課題を克服し得る人を会社は採用すると考えられます。従っ
て課題を聞き出し、それを克服する方法が書かれている「企画書」が
出せれば、ほぼ間違いなく採用されると思います。
・面接のお礼状をすぐに出す人はほとんど皆無だそうです。そのお礼状に
企画書を添付して遅くとも翌々日には担当者に届くようにします。
「やる気」だけでなく「行動」の指針も書かれた「企画書」を見て、担当
者は感動に近いものを感じると思います。
・一般的に言って会社に「企画書」を出せる人は多くはないと思います。
それが、外部のしかも応募者から届くのですから、会社はそれだけでも
欲しい人材の候補に入れたくなると思います。
・採否は別にしても企画についてはできればもっと詳しく聞きたい、と担当者
は思います。特に階層が上であればあるほど、課題を共有しそれについて考
えている者の意見を聞きたくなります。中小企業で社長や役員が面接担当者
だった場合は特に効果が高くなります。他の応募者とは別枠でもう一度会い
ましょう、というケースが多いのはこのような理由です。
■企画書を書こうとすると、面接の受け方が変わります。
企画書を作ろうとすれば、作るための材料が必要になります。その為、質問の仕方が他の応募者とはまるで違ってきます。 前述した「2つの質問」を切り口にして、より深く質問するかたちになります。 そして、担当者が受ける印象は他の応募者と全く異なります。「この人はひと味違う」「かなり積極的だなぁ」「やる気がすごいなあ」といった印象になります。
面接で引き出したい材料(企画書作成に必要な材料)を集めるための質問はだいたい以下のようなものだと思います。
・今回の採用の目的は何ですか
・今回の採用で解決したいことは何ですか
・それはいつ頃までに解決したのですか
・解決の為に、採用と合わせてとる方法はどんなことですか
・今回の採用ではどんな人材を望んでいますか
・今回の課題解決は会社の将来にどうつながるのですか
・担当者の氏名をフルネーム、漢字まで確認する(宛名に使用するため)
つまり、先にお伝えした「2つの質問」をさらに深くした質問内容に自然になっていくと思います。
■面接で質問する際の注意事項
□
中高年の方は豊富な経験が有ります。例えば営業部長として豊富な経験をお持ちで、今回も同じく営業部長としての応募だとすると、
質問をしている最中に前職の経験から課題克服の答えがズバズバ頭に浮かんでくるはずです。でも、それは面接最中に話してはいけません。
あくまで質問し、それに答えてくれる担当者の聞き役に徹して下さい。途中で答えや自分の解釈を話しだすと話しを遮り、それ以後の重要な材料が引き出せなくなります。
また、何より、「オレはアナタよりモノを知ってるんだぜ」という印象を担当者に抱かせてしまいますと、担当者は相当気分を害するものです。
今日の主役はあくまで担当者であり、あなたは判断される立場に有る訳ですから、解釈を言うことは厳に戒め、あくまで聞き役に徹し、情報収集に徹してください。
※この失敗で自滅するケースが一番多いです。
※これは、「2つの質問」にも共通する注意点です。
□
企画書を送ります、という気配はみじんも出さないで下さい。「企画書を後日送ります。」などとは決して言ってこないでください。
これは、自宅に戻って企画書を作っている時、材料不足や方針の出しが困難になって、どうしても出せないケースもあり得るからです。
出さない時はそのまま出さないでいれば良いわけですから。また、出すにしても、突然、しかも直近で出す方が、インパクトがありますので。
■企画書の作成方法
企画書といっても、何頁にも渡る本格的なものでは有りません。企画メモ、のようなものとお考え頂ければ良いと思います。 従って項目も定型化し、できるだけ箇条書きにして簡潔にまとめていきます。
1.
質問で得た情報をもとに課題を文章で書き出し、解決策を検討します。そして、自分ができる事を具体的に考え、メモに書き起こします。
2.
企画書を書きます。
□企画書の項目(例)
・日付け
・標題=「○○○(課題を一言で書いたもの)」を解決する方法
・氏名
・方法の概要
・実施後の効果
・実行する方法の詳細:
必要な期間(時間)
予算
必要な資材、仕組み
必要な要員
その他、留意事項
□注意点
・できればA4、1枚にまとめます。最大でもA4、2枚だてにして下さい。
・上記項目ごとにブロック割りして箇条書きにしても良いし、べたの文で各項目を
簡潔に展開しても良いと思います。
・各項目とも可能な限り数値での表現を折込むとより説得力が増すと思います。
ただし、その際、数値算出の根拠まで示すとA4、1〜2枚に納まらないので、
根拠はできるだけ示すのを避け、必要があれば、説明の機会に資料等を直接示
すのが良いと思います。
■企画書の送付
作成した企画書を担当者に送付します。その際、挨拶状を必ず添付します。
できれば、翌日には出して下さい。遅れると選考途中に差し込むことができなくなって効果が無くなります。鮮度が一番重要です。
□挨拶状の内容(例)
・先般の面接の御礼
・自分なりの考えをまとめた旨
・必ず実行でき、課題を解決できることには自信を持っている旨
・ぜひ一度お読み頂きたい旨
・詳細を説明する機会を与えて欲しい旨
・連絡をお待ちする旨
□注意点
・宛名は担当者フルネームに社長のフルネームを並記すると効果的です。
・上記のように挨拶状でお礼やお願いなどの感情的内容を書き、企画書は
事務的にクールに書くのが良いと思います。
■まとめとして
「企画書」は最初は書くのが大変ですし、面接で必要な材料が引き出せなくて、後で四苦八苦することもありますが、同じ職種で面接を受け続けるたびに必ず実施していけば、実は企業のかかえる課題は大体同じだ、と分かってきます。 そうすると、書き溜めた企画書が少しの手直しで流用できるようになりますので、3社目くらいからは楽に翌日発送ができるようになります。
この方法は非常に短期間で就職する際に抜群の威力を発揮します。
難易度が高そうに思って躊躇する方も多いのですが、実施すると高い効果に本当にびっくりされます。
できれば、ぜひトライしてみてください。
面接のまとめ
今回この「面接編」でご紹介したノウハウでは、まず『想定問答』を作り、それを『5つのブレイクダウン』で鍛えて、必ず突っ込まれるウィークポイントを克服しました。
そして、『面接ノート』を作って、回を重ねるごとに面接力をアップしました。
加えて『ビデオ撮影』で仕上がりを自分で検証できれば言うことはありません。
ここまでは面接前の準備です。
面接の本番では、『2つの質問』で担当者に深く印象付け、『丸飲み内定』で極めて積極的な姿勢を相手に示します。
これで本番はOKです。
さらに、面接が終わったら、まずは担当者あてに「お礼状」を送って感謝の意を伝え、できれば一緒に「企画書」を送って他の応募者と 決定的に差別化し、担当者の度胆をぬいて下さい。
以上の一連の行動を実行して頂ければ、面接から内定への流れが劇的に変わります。
これらの方法によって、何より一番良いあなたを面接で思いきり、自信を持って出せるようになると思います。 そのことが、今までの活動と劇的に変わる、一番の要因だと思います。 自信というのは、そのくらい人をイキイキさせ、人を惹き付けるものなんですね。
これらの方法は多くの結果を出しています。また、速効性も抜群です。
あなたにもぜひ実行して頂きたいと思います。
次のページでは、年収やポジションなど、希望の条件の獲得法をお伝えします。
妥協のない転職を果たすことが、真の活躍と充実感を得る大切なポイントです。
ぜひ、お読み下さい。
>>次のページ→「内定が出た後の勝負どころ」
●通る面接にする対策をあなたの状況に合わせてお伝えします。 どこが不採用の原因なのか、あなたの状況に応じて率直にお伝えし、あなたに合った面接ノウハウを着実に、継続的に実行できます。 |
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